タイ特許申請方法
日本人(日本法人)がタイに特許出願するには、主に3つの方法があります。大きく(1)特許協力条約(PCT)ルートで出願する方法、(2)パリ条約ルートで出願する方法、(3)優先権を主張せずタイへ直接出願する方法があります。タイは、2008年にパリ条約、2009年に特許協力条約(PCT)に加盟しています。このため、日本の出願人が既に日本特許庁に特許出願をしている場合には、(1)パリルート、(2)PCTルートのいずれかを利用して優先権を主張し、タイに特許出願することが一般的です。
(1)PCTルートでタイ特許出願する場合
PCTルートで出願する場合、まず前提として、日本の出願人がPCT国際出願を行っていることが必要です。出願人は、日本の特許出願日から12カ月(1年)以内にWIPOにPCT国際出願を行うことができます。
次いでPCT国際出願を基礎にした優先権を主張して、タイや他の外国に出願をします。PCTルートでタイ特許出願する場合、期日要件は、日本の特許出願日から30カ月(2年半)以内にタイに特許出願を行う必要があります(タイ国への国内移行手続きといいます)。国内移行手続きの際は、PCT国際出願の情報、願書、委任状、PCT国際出願の特許明細書等(明細書、請求の範囲、要約書、図面)に対応するタイ語の翻訳文等を提出します。
必要書類
・タイ願書、及び、「明細書、請求の範囲、要約書、図面」(PCT国際出願書類に基づくタイ語翻訳)
・公証付き委任状


登録までの費用
①出願時:事務所費用(出願手数料+タイ語明細書翻訳費用)+DIPに支払うオフィシャルフィー
②OA時(補正指令等):事務所費用+DIPに支払うオフィシャルフィー
③登録時:事務所費用+DIPに支払うオフィシャルフィー
以上、①~③がタイ特許登録までにかかる費用です。
(2)パリルートでタイ特許出願する場合
日本の出願人がタイに特許出願する場合、通常ほとんどの場合、まず日本国内(日本国特許庁)で特許出願をしておき、次いで日本特許出願を基礎にしたパリ条約に基づく優先権(パリ優先権)を主張して、タイや他の外国に出願をします。
期日要件として、出願人は、日本の特許出願日から12カ月(1年)以内にタイに特許出願を行う必要があります。出願の際は、願書、委任状、日本特許出願の特許明細書等(明細書、特許請求の範囲、要約書、図面)に対応するタイ語の翻訳文等を提出します。また、日本特許出願の存在を証明するための優先権証明書も必要です。
なお、日本の特許出願日から12ヶ月を経過している場合、優先権を主張できないため、(1)パリルートでタイ特許出願をすることはできません。優先権を主張せず(3)タイへ直接出願することは可能ですが、日本の特許公開公報等で新規性を喪失している場合やタイ出願前にすでに国内外で特許登録を得ている発明は特許要件を満たしません。
必要書類
・タイ願書、及び、「明細書、請求の範囲、要約書、図面」(日本の特許出願書類に基づくタイ語翻訳)
・優先権証明書(日本特許庁発行)、優先権証明書の英訳、及び、基礎出願が優先権主張前に放棄されてない旨を証明するレター
・公証付き委任状
登録までの費用
①出願時:事務所費用(出願手数料+タイ語明細書翻訳費用)+DIPに支払うオフィシャルフィー
②OA時(補正指令等):事務所費用+DIPに支払うオフィシャルフィー
③登録時:事務所費用+DIPに支払うオフィシャルフィー
以上、①~③がタイ特許登録までにかかる費用です。
(3)優先権を主張せずタイへ直接出願する方法
日本で特許出願をせず、最初からタイへ単独で出願する方法です。この場合、基礎となる特許明細書がありませんので、タイ語の特許明細書を用意する必要があります。(3)のケースは、現地日系企業などが行う方法です。
但し、日本の出願人がタイに特許出願する場合、通常ほとんどの場合、日本国内(日本国特許庁)に既に特許出願をしているはずですので、この場合、上述の(1)(2)の方法で行われます。

