タイ商標登録につきまして、クライアント様よりお問合せの多いご質問をこの度Q&A形式にまとめましたので、ぜひご活用下さい。
一出願多区分制度とは?
タイでは従来、一出願で一の区分しか出願できませんでしたが、2016年改正より、一出願で複数の区分を含め出願が可能となりました。
オフィシャルフィー、計算例は?
オフィシャルフィーとは、タイ知的財産局に支払う印紙代です。タイ商標におきましては、2016年から多区分制へ移行したことに伴い、出願時と登録時のオフィシャルフィーが大幅に変更されており、下記の通り、区分数と商品数に応じた従量制となっています。
むやみに区分や指定商品が多くなると、印紙代が膨らむだけでなく、かなりの確率でOA通知が発され拒絶リスクも高くなりますので、タイ国内で不必要な事業は除外するなどして、極力、区分数と商品数は少なくなるようご検討下さい。
<出願時>
1クラスにつき商品数(アイテム数)が1個から5個までの商品/役務は個数分のオフィシャルフィー(1商品につき1,000バーツ)が科され、6個以上は一律料金(9,000バーツ)が科されます。
<登録時>
1クラスにつき商品数(アイテム数)が1個から5個までの商品/役務は個数分のオフィシャルフィー(1商品につき600バーツ)が科され、6個以上は一律料金(5,400バーツ)が科されます。
※約3.5円/1THB(2020/7/10)
(例1)
30類:コーヒー
<出願時>
1クラスで商品数は1個→1,000バーツ
出願印紙代の合計1,000バーツ
<登録時>
1クラスで商品数は1個→600バーツ
登録印紙代の合計600バーツ
(例2)
30類:コーヒー
32類:果実飲料、ビール、清涼飲料、飲料用野菜ジュース、
<出願時>
1クラス目の商品数は1個→1,000バーツ
2クラス目の商品数は4個→4,000バーツ
出願印紙代の合計5,000バーツ
<登録時>
1クラス目の商品数は1個→600バーツ
2クラス目の商品数は4個→2,400バーツ
登録印紙代の合計3,000バーツ

商標登録されるまでにどれ位かかりますか(商標登録迄の期間)。
問題なく登録される場合でも、出願から登録までに約1年かかります。 ケースバイケースですが、タイ知的財産局から審査途中でOA通知(補正指令)が通知され、補正書や意見書にて反論をする場合には、更に数か月~半年ほどかかる場合があります。
できるだけ早く商標登録したいのですが。
タイにおきましては、商標登録出願から審査結果がでるまでに約1年強ほどを要しています。なお、日本のように審査結果までの時間を短縮する早期審査制度はありません。
マドリッド協定議定書(マドリッド・プロトコル)との関係は?
日本企業がタイで商標登録を行う場合、2つの方法があります。
一つは、タイにおいて直接商標出願を行う方法です。もう一つは、マドリッド協定議定書(マドプロ)により国際登録を行う方法です。複数のマドプロ加盟国へ出願・登録を希望する場合は、直接各国へ出願するよりもトータルで簡単に手続きを行うことができます。
ただし、マドプロではタイ国で登録拒絶された場合、出願人サイドにタイ知的財産局による「暫定的拒絶理由通報」が通知されます。この場合、出願人はタイ知的財産局に対し暫定的拒絶の通報から90日以内に「現地代理人を介する」補正手続き等によって拒絶理由を解消させます。
主な拒絶理由は、元になった自国(例えば日本)の基礎出願における指定商品等が、タイ国での取り扱いの差異に起因します。マドプロはトータルで簡単に手続きを行うことができる一方、「暫定的拒絶理由通報」が通知されてしまうと、結局は各加盟国内の現地代理人の手続きに依らねばなりません。
日本の登録商標に基づく優先権主張はできるのか。
日本で出願した商標の出願日から6か月以内にタイ出願を行えば可能です。
標準文字商標、ロゴ商標とは?
標準文字商標は、テキスト文字のみにより構成される商標をいいますが、タイは標準文字制度は採用されていません。日本において標準文字商標でありその文字をタイで出願する場合には、その文字の画像データ(jpeg,png,gif)をご用意下さい。商標画像として出願します。
ロゴ商標は、会社ロゴや商品マークなど、デザイン性のある文字のみ、図形のみ、又は文字+図形で構成される商標をいいます。ロゴ商標は、画像のため、画像データ(jpeg,png,gif)をご用意下さい
商標がアルファベット表記の場合、大文字と小文字、どちらを出願した方がよいですか?
スペルが同一で大文字か小文字だけの違いでしたら、基本的に変わりありませんため、いずれか片方でよいでしょう。 但し実際に使うものと同じ方にした方がよいでしょう。
商標にひらがな、片仮名、漢字などの日本語が入っていても大丈夫ですか?
日本語自体が図形商標(ロゴ商標)として取り扱われますが、大丈夫です。但し、ケースによって不可(商標の識別力なし)とされる場合があります。
ローマ字表記、漢字表記などのバリエーションがあるのですが、全部(両方)を出願するべきですか?
タイ国内で両方使用するのであれば、両方を出願すべきです。使用しないのであれば使用する方のみでよいと考えられます。
同じデザインで色違いのロゴがある場合はそれぞれ出願が必要ですか?
登録商標の色違い商標は、原則登録商標と同一であると認められます。よって実際に最も使うと考えられる色のもの一つを出願するのがよいと考えられます。
普通名称は商標登録できますか?
普通名称についての考え方は日本でもタイでも同じです。その商標の「指定商品」によります。つまりその商標が指定商品との関係で、可能な場合と不可能な場合があります。例えば「note」は文房具では登録できませんが、それ以外(例えば車)であれば可能です。前者では誰の文房具か判別できないためです。
タイで商標登録できない商標にはどんなものがありますか。
基本的にどこの国であっても以下のような商標は登録できないとされています。
1)他人の先行類似登録商標と類似するもの:但し、商標が類似していても、商品・役務が異なることで登録となり得ます。
2)普通名称:一般的に用いられている言葉は登録できないとされています。
3)記述的商標:その商品・サービスの特徴等を示す言葉は登録できないとされています。
4)簡単過ぎるもの:1-2文字等(3文字も場合により)です。
5)その他他国の国旗、非営利公益団体等の標章あるいは公序良俗に反する言葉や図形も登録できません。
日本で登録済みの商標登録があるのですが、タイでも日本と同じ区分や指定商品でよいのか。
日本ですでに商標登録がある場合ですが、御社における日本とタイでの事業が同じであれば、タイにおける区分および指定商品(指定役務)も基本的には、日本のものと同じになるでしょう。日本の登録商標をご確認頂き(例えば登録証や登録公報)、その「類(=区分)」と、その類における「指定商品名又は指定役務名」を確認できます。
但し、タイでは実務上、広範な概念による「指定商品・指定役務」の記載は認容されません。このため、日本の登録商標の指定商品および指定役務がそのまま適用できないケースもあります。例えば、おもちゃ、袋、化粧品、化学品、アルコール飲料等も商標分類の見出しですが、いずれも範囲が広すぎるとして認められません。
また、御社における日本とタイでの事業が同じでなければ、タイで必要な区分と指定商品とすることに注意してください(タイ国内で不必要な事業は除外する)。

日本で登録した商標よりも、区分(又は区分内の指定商品)を減らして又は増やしてタイで出願できますか?
可能です。
むしろ、タイで必要なもののみとし、タイ国内で不必要な事業は除外すべきです。
区分を減らす例;日本 1類、5類、6類→ タイ 1類
指定商品を減らす例;日本 1類:「aaa」、「bbb」、「ccc」→ タイ 1類:「aaa」
区分を増やす例;日本 1類→ タイ 1類、5類、
指定商品を増やす例;日本 1類:「aaa」→ タイ 1類:「aaa」、「bbb」
